蒼き地球を宇宙より見下ろす巨大な影。
気象衛星「あじさい」のさらに上に、悪趣味な宇宙船が佇んでいた。
地球征服(と幼女保護)を悲願とする宇宙怪物集団、「アルティメットロリ」。
地球文明を遙か遠く超えた技術と人知を超えた力を兼ね備えながら、しかし、彼らは未だ悲願を達成できずにいた。
宇宙に名高い伝説の戦士、マジカルメイド。
幼女をこよなく愛する彼らの前に敢然と立ちはだかったのは、この星で最強の幼女だったのだ――――――。
宇宙船内のホール。
悪の組織じみたおどろおどろしさはなく、賛美歌が聞こえてきそうな荘厳な雰囲気がある。
アルティメットロリ首領は、部下達の度重なる失敗に業を煮やしていた。
「ええい!! 我らが地球侵攻を開始してもはや半年……! いまだ一人のロリっ娘も捕まえられぬとは、何事だ!!」
荘厳な玉座に座したまま怒りに肩を震わせる。握り締めたワイングラスが粉雪のように砕け散った。
全身をマントと黒衣で覆い、形相までは窺い知れない。だが、見るまでもなく怒りは心頭だった。
「お、お言葉ですが首領…………全力は尽くしていますものの、あのピアニシモめが想像以上に手強く……」
マジカルメイド、ホワイトピアニシモ―――
一見も二見も小学生なあの幼な子のどこに、あそこまでの力があるというのか。
まさしく神話の女神を思わせるその高貴なる美しさ――――ロリの究極。
ちなみにマジカルメイドはもう一人いるが、敵方はもっぱら幼女の話題で持ちきりだった。
「こ、今度こそ……今度こそ必ずやロリっ娘を捕まえてきますゆえ、今しばらくのご辛抱を……」
恭しく跪いた幹部が、冷や汗混じりに弁解する。
そんな威厳を失った幹部に、周りからも冷ややかな嫌味が飛び交う。
「ふ……風の噂では、その方、近頃『ぐらびあああいどる』とかいうものに夢中だとか。乳に魅せられるとは惰弱と呼ぶも烏滸がましき死業よ。ロリの魂を失ったがゆえの失敗続きではないのかな?」
ぴら、とその幹部が持っていた巨乳モデルのポスターをひらつかせる幹部B。
「き、貴様! 黙っておれば嘘八百三昧! 貴様こそ、最近『ひとづま』にゆめゆめならぬ興味をいだいているとか! まさしく我らの理想の対極に心奪われるとは笑止!! 貴様こそ乱心の徒ではないか!!」
「ぬぅ……! そこまで侮辱されたとあっては、刃を収めてはおれぬぞ!!」
「ふ、来るがいい! 年増好みに陥った戯け者など、瞬く間に切り伏せてくれる!!」
一触即発の幹部二人が、同時にそれぞれ腰と背の刀に手をかけた。
と、恐ろしく強大な闘気があたりを支配し、戦闘員はおろか幹部まで扉に釘付けになる。
「黙らぬか木っ端どもが!!」
ズン……とまるで巨獣のような足音とともに首領の元へ歩いていく一人の男。
「「うっ!?」」
「のけい!! 役立たずの木偶の坊どもよ!!」
威圧的な声に部下が凍りつく。
まるでモーセの十戒のように、戦闘員達はことごとく横に避け敬礼で出迎えた。
「あ……あなたは、ロリ四天王の一人、ヤタラロリ様!! お、お待ちください!! あなた程のお方が行かずとも、我々が地球征服を成し遂げてみせます!!」
「くどい!! ……もはやこれ以上首領様のお顔に泥を塗るわけにはいかぬ!! 見ておれ……今日にでもピアニシモを我が物としてくれるわ!! ……首領!! 私めに地球侵攻の指揮をお任せくだされい!!」
「ふ……久々にお前の手並み、見せてもらおうぞ」
マントを翻し颯爽と司令室を後にするヤタラロリ。
その堂々たる背中に、玉座に座った首領はそっと語りかけた。
「……ピアニシモは手強いぞ。なんといっても類稀なるロリっ娘……。我らの女神たる少女が敵として立ちはだかるとはな。皮肉な運命よ……。我々にとって最大の悲劇といえるわ」
「お言葉ですが首領。私は感謝しております。飽くなき闘争に満ちた我が人生、その終着に、あのようなロリっ娘と拳を交えることが出来るのですからな」
おおお……と戦闘員から感嘆のため息が漏れる。先ほどにも増してすさまじい闘気だ。
「ふっふっふ……相変わらず頼もしき男よ。お前に心配は要らなかったな……」
(こっから主題歌ね。ものっすごいディストーションのきいた前奏を脳内に流してね)
タイトル:「戦え! ロリメイド!!!」
歌:影○ヒ○ノ○
(オリコン初登場3位。オリコンってロリコンと似てるよね。呂律が回らないときとかつい言い間違えそうだよね。ここら辺はいろいろあったからいろいろ削除ね。)
ロリ!! ロリ!! Oh,Rori―――――――――
(ここでタイトルロゴが入る)
この世に変態がいる限り
必ず舞い降りる正義のロリっ娘ーーーーーーーーーーーー
ヒラヒラメイド服がまーーーぶーーーしーーーいーーーぜーーーー!!
今日も悪者をお掃除! お掃除! Oh!掃除ーーーーーーーーー!!
バラバラ! ズタズタ!! コナゴナ!!
どれでも好きなだけくれてやるぜ!!
命知らずはかかってきな!!
幼女だからってナメんじゃねえ!!(シュッパーーーーン)←画面効果
胸はなくとも夢はある!! 尻が出ずとも蹴りは出る!!
地球のために変身だ!!
プニプニーーーーーーーーーメタモルフォーーーーゼッッ!!(ここだけ水○一郎の叫びで)
メイドの土産に見せてやるぜ!! 惑星破壊メイドクラッシュ!!(クルアッシュと巻き舌で)
地球の外まで飛んできな!! カチューシャが引導代わりだ!!
涙を武器に替えて今日もたーたーかーえー
マジカルメイドーーーホワイーートーピーアーニーシーモーーーーーーーーーー!!
Ahーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(やたらシャウト)
(ちなみにオープニング映像は「な○よし連載コミックのアニメのように爽やかな日常です)
(タイトル前の寸劇)
わたし、音弥ましろっ!! 中学3年生っ☆
どこにでもいる平凡な女の子……の、はずだったんだけど……ある日、海辺で見つけた不思議な生き物を家につれて帰ってから、日常が一変しちゃったのっ!!
星のカービィにそっくりなその生き物は、もともと魔法の星「ティーショッピュー」の王子様だったんだけど、地球とティーショッピューを両方征服しようとしている悪い人たち、えーと、「アルティメットロリ」っていう人たち……のせいで、こんな変な姿になっちゃったんだって!
そういうわけで、地球の征服を企むアルティメットロリの魔の手からみんなを守るために、私はその生き物、「シュイーム」が出してくれたマジカルステッキを使って、マジカルメイドに変身することになっちゃったんだっ!
正体を隠しながら戦うのは大変だけど、みんなの平和と、大好きな須高君を守るためにっ!
今日も、悪い人たちはお掃除しちゃうぞっ☆
(バンク寸劇終了)
| マジカルメイド ホワイトピアニシモ |
| 第35話 「ええっ!? 突然のプロポーズ!?」 |
パンを口に咥えて軽快に通学路を駆けていく少女。
「わわわわ……どうしよう、遅刻しちゃうよぉ〜っ! ママったら、朝っぱらからパパとイチャイチャして、私のこと起こしてくれないんだもんー」
音弥ましろは、いつものように遅刻ギリギリのデッドラインを爆走していた。
視界に赤い閃光が走り、すさまじい笑撃がその小さい体を襲う。
ズドゲガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ひょわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
竹とんぼのように回転しながら垂直飛翔していくましろ。
150メートルほどカっ飛んで、熱気球で世界一周を目指す風船おじさんの愛機に致命的ダメージを与えた後、きりもみしながら落下し地面に叩きつけられた。
「いたたた……。急いでたせいで、自転車にはねられちゃったよぉ……。でも、自動車じゃなかっただけましかぁ。1ヶ月に一回はトラックに轢かれちゃうもんね……」
およそ常人が自転車に跳ねられたときの数百倍の手傷を負いながらも、その年季の入った赤いママチャリを見た瞬間、そんなものなど無きが如く元気に立ち上がった。
「やあ、おはよう、ましろちゃん。今日も元気だね」
「す、須高くんっ……!!!」
差し伸べられた手を取るだけでは済まず頬擦りまでしていると、心配そうに覗き込まれる。
「大丈夫かい? 僕の自転車の前輪が、君の水月にジャストミートしちゃったように見えたけど」
「ぜ、全然大丈夫だよっ! えへへ、私、丈夫なのだけがとりえだからっ!!」
「ははは、よかった。そうだ、はねちゃったお詫びに学校まで一緒に乗っていかないかい?」
「い、い、い、い、いいのーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
「大丈夫だよ。ましろちゃんは小さいから、全然重たくないだろうしね」
『ちびっこ……。うう、複雑だよぉ……』
須高時也くん……私の片思いの相手。
すっごく頭が良くて全国模試でもいつも1位……。サッカー部のキャプテンで、背か高くてかっこよくて……。 声も綺麗で、それにそれに、すっごく優しいのっ! ふに〜、引け目感じちゃうよぉ……
ほえほえと顔面をメルトダウンさせながら、まるでバイクのリアシートにでも乗っているように須高の背中に抱きつくましろ。
「風が気持ちいいね〜。もうすぐ春だ……」
「う、うん……。須高くんの、背中も…………」
ねえ、須高くん……。
気付いてる? ほら、私、こんなに須高くんに密着してるんだよ……。
私の……その、胸も………気持ちいいって思ってくれてるのかな……。
もちろん、とても女性らしき膨らみが存在しないましろの胸部では、それは儚い幻想だった。
憧れの男の子の自転車で、一緒に登校。
ああっ……今日は朝からとーっても幸せっ♪
頬を撫でていく風も、私達を祝福してくれてるみたい……
「はは、それはましろちゃんの勘違いだよー」
「わわっ……シュイーム、ちゃんとぬいぐるみのふりしててよぉー」
「どうしたんだい? 独り言なんか呟いて」
『まさか鞄につけてるぬいぐるみが生きてるなんて誰も思わないだろうから、これじゃ私が独り言言ってる妖しい人みたいだよぉ……』
「な、なんでもないのっ……えへへ、ぬいぐるみが紐から外れそうで焦っちゃった」
「そうなんだ。おっきなぬいぐるみだもんねー」
『変身したときいつでもシュイームのアドバイスをもらえるように、私とシュイームはいつも一緒にいるんだけど……。シュイームは1メートル以上あるから、ぬいぐるみのふりして運ぶのも一苦労だよー……。今も、紐が長すぎたせいで後輪にガッツンガッツン跳ね飛ばされてるし……』
「ところでましろちゃん、ニュースは見たかい? また例のマジカルメイドさんが、ご町内を守ってくれたみたいだね」
「え、あ、そうだね……」
「僕達がこうして平和に暮らしていけるのも彼女のおかげなんだ。感謝しなくっちゃね」
「あ、あはは……別に……しなくていいよ」
地球を脅かす魔の集団、アルティメットロリから平和を守る正義のヒロイン、マジカルメイドホワイトピアニシモ。その正体は未だ誰も知らない。
ましろの髪形が変わってロリ度が増しただけのその姿に、友人や家族すら気がつかないのは不思議な事だ。
チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
学校の正門に続く下り坂にさしかかろうと言う時、突然けたたましい爆発音が響き、須高は自転車ごと横転しましろをクッションにしてしまった。
「ふみゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「だ、大丈夫かい、ましろちゃん……い、一体何が」
見ると、幼稚園の目の前で、アルティメットロリの戦闘員達がこぞって幼女を連れ去ろうとしているではないか。
「あーーーーーーーーーーーーーーーー!! いつもの変態さんたち!!」
「こら……貴様ら! やめないか!! 日本の宝である子供をさらってどうする気だ!!」
「まさしく幼女は宝……それが故に奪う! 何の疑問があろうか!!」
「疑問しかない!?」
宝としての価値観がまるで違うような気がする相手に困惑する須高。
「ええい、失せろ、小僧!! やってしまえーーーー!!」
「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
戦闘員にぶっ飛ばされて遥か学校の校門まで飛んでいく須高。遅刻はしなくて済みそうだ。
「す、須高くーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
「ほう……見れば、これはまたなかなかどうして……相当名うてのロリっ娘と見た!!」
ましろの姿を見てギラリと目を光らせるヤタラロリ。
「あ、あなた何物なの!?」
何者ではなく何物と聞きつつシュイームに目配せするましろ。
「我が名はアルテイメットロリ四天王が一人・ヤタラロリ!! 地球に生きとし生ける全てのロリっ娘を我らが物とする為に参った!!」
「最悪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
嫌悪感丸出しのましろを援護すべく煙幕を張るシュイーム。変身の為の目くらましだ。
「今だ、ましろちゃん!!」
「よーしっ! ぷにぷに〜めたもる〜ふぉ〜ぜっ!!」
カチューシャを変身ステッキに変えると、眩い光を放ちながら変身する。
煙幕が晴れ、姿を現したのは、ツインテールになりロリ度に磨きがかかったましろ……メイド服に身を包み戦う白き正義の戦士、マジカルメイド・ホワイトピアニシモだった。
「なにい!? 先ほどのロリっ娘がいなくなったかと思えば、こんな所にピアニシモが!! 何たる偶然……いや、これも宿命なのか!! ロリはロリを呼ぶという諺通りに!!」
「さあっ! 悪者どもー! マジカルメイドの名にかけて、この地球を汚す悪者達はおそうじしちゃうぞー!!」
「「「プニーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(発狂)」」」」
ピアニシモの変身した姿を見ただけで、位の低い戦闘員達は発狂し、蒸発していく。
「ぐくっ……! 何たる完成された美……。者ども! 気をしっかり持てい!!」
ピアニシモの闘気……いや幼気に気圧されるように後ずさっていくヤタラロリ。
「ぐおお、だ、だがこの私も、立っているのが精一杯だとは……。恐るべし! ホワイトピアニシモ!! 洗練されたロリ顔、凹凸を限りなく排除した胸、銀河に煌く星々にも似た、風にたなびくついんてーる……。そしてそれを際立たせるデカリボン……。い、いかん!! このままでは……私もその美に飲み込まれるのは時間の問題!! むうう!!」
腕から短剣を取り出し、自らの足に突き立てる。
「わーーーーーーーー!? 何してるんですかあなたはーーーーーーーーーーー!!」
「ふ……ふふふ……。肉体に苦痛を与えなければ、貴様の甘美な誘惑に敗北し、陥落していただろう……。聞きしに勝る恐ろしさよ……気を引き締めていかねばな」
お約束のように生き残った戦闘員が襲い掛かる。
「うわーーーー! 近づくなーーーーー!!」
ステッキでバキバキ直接打撃で戦闘員を血祭りにあげていくピアニシモ。戦闘員達は何故か、生まれて最大の幸せを味わったような顔で次々に絶命していった。
「やるな……そうこなくては! はっ!!」
「わわわわーーーーーーー!?」
ヤタラロリの拳を咄嗟にシールドを張って防御するピアニシモ。
「――――ぐ、な……仲間になれ!! ホワイトピアニシモよ!! いや、仲間とはいわん!! 我らを導く指導者の一人となってくれい!!」
シールドをこじ開けんばかりに必死に手を伸ばす。ましろも必死だ。
「やあ〜ん、近寄らないでよぉ〜」
「ふんんんぬあああああああああああああああ!!!」
さすが四天王と言うべきか。気合一閃、ピアニシモのシールドは叩き割られた。
「ふふふはははは!!!」
「きゃあああああああああああ!?」
地面にへたり込んで半泣きになるピアニシモ。その幼い太股の先に覗く白い下着を見た瞬間、ヤタラロリは一層男前な顔になった。
「……素晴らしい……! なんと少女……いや幼女趣味の極みとも言える下着!! 私にそれを洗濯して、箪笥の中に入れさせてくれぇぇぇぇぇ」
「へ、へ、へ、変態ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!???」
「むうう、これだけ熱烈な求婚を拒むとは、気高き女よな……!!」
「きゅ……求婚!? いやーーーーー!!! プロポーズされちゃったー!! こ、こんなのにプロポーズされちゃったよーーーーーーーーーーーーー!!! 死ぬ!! シュイームを殺して私も死ぬーーーーーーーーーー!!!」
「僕じゃなくて目の前の変態を殺せよ!!」
「だが、諦めるわけにはいかぬ……!! さあ、下着を寄越せ!! 手洗いで丹念に洗ってやろう!!」
半ば……いやモロに犯罪者の顔でにじり寄るヤタラロリ。むしろこっちの方が発狂しそうだった。
「ちっ! 近寄らないで!! 寄ったらパンツ燃やすよ!!」
「いや、君も燃えちゃうよましろちゃん。とりあえず脱ぎなよ。ほら脱ぎなよ。脱ぎ」
シュイームをステッキで殴り殺して稚拙な脅迫を続けるましろ。
「燃ーやーすーーー!!!!」
「ぬうう!! ……そこまで私を拒むか……! さすがは聖女! さすがは我らが永遠の好敵手、ホワイトピアニシモよ!! だが、退かれれば退かれるほどこちらも情熱がたぎるわ!!」
「え、うそ!? 燃やしちゃうよ!! 洗えないよ!?」
「下着が洗えぬのなら貴様自身を隅々まで洗ってくれるわああああああああああああああ」
「きやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああたーーーーーーーーーすーーーーーーーーーーけーーーーーーーーてーーーーーーーー」
「逃げちゃ駄目だよましろちゃん!! 勇気を出して戦うんだ!!」
「戦えるかあんなのとーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
あんなのに洗われるくらいなら自殺した方がマシだと自爆する覚悟をしたましろの耳に、甲高いお嬢様声が響き渡った。
「おーーーーーーーーーーっほっほっほっほっほっほっほっ!!!」
「ああっ…………この、区別がつかない昭和の声優さんみたいな笑い声はっ!!」
冥界の石のように黒光りしたリムジンから降り立つ一人の少女。
ましろと対照的に思わずため息のもれるような素晴らしいプロポーションだ。
手に口をあてて嫌味たらしい笑いを浮かべると、地面にへたり込むましろに喝を入れる。
黒崎コンツェルンの跡取り娘にしてましろのライバル――――――黒崎ひびきだ。
「無様ですわね、ましろさん……いえ、ホワイトピアニシモ!!」
「……ひびきちゃん……やっぱり助けに来てくれたんだねっ!!」
「誰もあなたなど助けたりはしませんわ……。私は、この星の美を損ねる変態どもを野放しにしておきたくないだけですわ!! 黒崎コンツェルンの一人娘として!!」
高々と掲げられた右手の掌に光が収束し、ましろと同じマジカルステッキが力強く握られる。
ひびきは変身した姿を見られたくないましろと違い、恥じるどころかむしろ見てくださいと言わんばかりに自己主張の強い女なので、シュイームも煙幕は張らない。
「むちむち〜めたもるふぉ〜ぜっ!!!」
そのプロポーションを惜しげもなく見せつけるような、やけに高飛車な変身だ。
意味も無く回転したり……流し目してみたり、とにかく長い。
15秒以上変身にかかっているというのに、ヤタラロリは律儀に腕組みして待っていた。
やがて、光の中からグラビアアイドルのようにむちむちしたメイドが現れる。
黒髪が天の川のように輝き、全身からも宝石のような光が放たれている。
まるで女王様――――黒きメイドは、ブーツのハイヒールを鳴らしてびしりと決めポーズを取る。
「黒きマジカルメイド……ブラックフォルテシモ!! 平和を乱す変態ども!! 塵一つ残さずお掃除して差し上げますわ!!」
「ぬうう、現れおったかブラックフォルテシモよ……懲りもせずむちむちしおって、ええい、目が腐るわ!!」
さも一瞬で変身したかのように気を遣って、憎々しげに呟く。悪役の鑑だ。
「なんですってこの変態!!」
「マジカルメイドとは全宇宙で選ばれし幼女にのみ与えられる伝説の称号!! それを……それを!! 伝説を穢す悪しきむちむち具合!! 貴様など幼女ではない!! 妖女よ!!」
「……ましろさん。来ておいて何ですけど、この変態の相手したくないんですけれど」
「私だってやだよぅ……」
「者ども!! かまわぬ!! あのような意味もなくむちむちした女、粉々に粉砕してしまえい!!」
「「「「「「ロリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(掛け声)」」」」」」
カサカサと虫チックな動きでブラックフォルテシモに迫る戦闘員。
その数はゆうに50を超えているが、当の本人は顔色一つ変えずにそれを一瞥した。
「いつもいつも……言わせておけばっ! 私にだって我慢には限度がありますのよっ!!」
胸のブローチが外れ、眩い輝きとともにマジカルロッドへと変化する。
全身から放たれていた光が、ロッドの先端に収束し、一気に放たれた!!
「惑星抹殺!! バイオレンスーーーーーーアダルティーーーーーーーッ!!」
およそ魔法少女とは思えない物理破壊光線が、戦闘員どもを焼き尽くしていく。
「「「ペドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(やられ声)」」」
戦闘員を容赦なく粉々に粉砕した後、その破壊光線はヤタラロリに直撃した。
「むううおおおお!!!」
しかしそれを真っ向から受け止め、足で大きく地面を抉りながら後退していく。
ボールを握り潰すようにして光線は消滅した。
「ほう……ただのむちむちした女だと思っていたが……なかなかやりおるわ」
「強がりはやめてくださらない。今度は容赦しませんわ!!」
さらなる破壊エネルギーをステッキに篭めるフォルテシモ。
しかし、今度はヤタラロリが動く方が早かった。
「受けよ!! 究極必殺!! ローリングロリ!!!」
竜巻のように高速回転しながら、弾丸と化したヤタラロリが迫撃する。
「あ、あれは……まさか! まだ使える奴がいたっていうのか!?」
「知ってるのシュイーム!?」
●ローリングロリ(秘旋猛幼檄)………………
幼女嗜好の男性を蔑むスラング「ロリ」という言葉は米国が発祥だと誤解されがちだが、それは更に遥か元を辿ると、古代中国のとある戦に由来する。
清国の行く末を左右すると言われた大戦、敵国に9歳の幼な妻を人質にとられた拳法家「魯 李魂」は、その深き愛ゆえに究極の破壊拳「魯李魂神拳」を極め、一撃の元に敵国の戦士達を屠り去ったという。
この戦で魯 李魂は稀代の英雄になると同時に、幼女趣味の戯け者として蔑まれ、幼な妻と共に孤独な半生を過ごしたというのだから皮肉である。
魯李魂神拳は、最終奥義「二房頭髪長大髪留絶愛幼拳」の、一国をも滅ぼすそのあまりに凄惨な威力を恐れた時の皇帝により弾圧され、後継者は絶えた。
ちなみに現代でも、ロリコンは言うに及ばず、周囲に理解されず孤独な毎日を送る事をさして「ロンリー」と卑下するのも、言うまでもなくこの「魯 李魂」に由来する。
夢水書房刊 「紐解かれるロリの歴史〜地球10億年待ったなし〜」より抜粋
「……後継者が絶えたって文献に書いてあるのに使うなよ!! しかも宇宙人のくせに! ひびきちゃんっ! バリアーだっ!! まともに喰らったらやばいっ!!」
「わ、わかってますわ………………すーぱーちぇ〜んじっ!!」
光と共にフォルテシモの全身に更なる武装が装着される。そして、胸元とスカートがきわどく露出する。最強形態、スーパーモードに二段変身したのだ。
「はあああああああああっ!!!」
円形のシールドを張りめぐらせローリングロリを受け止める。
しかしそのプレッシャーは想像以上に凄まじかった。
隕石のような圧倒的破壊力をまともに受け止めシールドが粉々になる。
吹き飛ばされ、変身が解けるフォルテシモ。
「きゃあああああああああああああああっっっ!!!」
「ぐう……相打ちか……。やりおるわい…………」
ヤタラロリも、全身が焼け焦げ覚束ない足取りでゆっくりと近づいてくる。
「ひびきちゃんっ!!」
「わ……私はもう動けませんわ……。あなたが、戦いなさい…………」
「そんなぁ! やだよぉひびきちゃん!! 死んじゃやだよぉ! 死んだらこのムカっとするぐらいおっきなおっぱいもらっちゃうよ!?」
「ましろさん……。おっぱいは差し上げてもいいですから、戦って……そして勝って……地球を守れるのは、もうあなたしかいませんわ…………」
このままだと自分も殺されるので適当な口約束を安易に結ぶひびき。
「やったっ! 聞いたよねシュイームッ! ひびきちゃんがおっぱいくれるんだって!! これで須高君のハートをゲットしちゃうよ〜」
「た……戦って……」
「さあ……無益な血は流させたくない……。来い! ピアニシモよ!!」
「もう絶対に負けない!! ひびきちゃんの仇っ!!!」
ひびきの胸に「予約済み」の赤札を貼り付け、敢然と立ち上がるピアニシモ。
「すーぱーちぇーーーーーーーーーーーーんじっ!!!」
さらなる武装とさらなるロリ。
ましろもまた、光とともに最強の姿へと進化した。
「ぐううううううううううう………………こ、これはあああああああああああああああ」
小規模ながら宇宙創造のビッグバンに匹敵するそのロリっぷりに、ヤタラロリは 発狂寸前になり、地面に蹲って必死に自分を律している。
もはや勝敗は決したも同然だった。
「ぐうううああああ……な……なんとビッグな……グレートな……いや、そんな尺度を超越した全宇宙的なロリっ娘……神かああああああああああああああ!!!!」
「よくもひびきちゃんをっ!! 許さないっ…………!」
巨大な箒が出現する。ピアニシモの武器―――スーパーメイドブレード(剣じゃないのに)だ。
一掃きする度にアスファアルトを粉々に粉砕していくその凶器を振り回し、ましろはヤタラロリに突進した。
「惑星破壊ーーーー!! メイドクラーーーーーーーーーーーーーッシュ!!!! ギャーーーラーーークーーーシーーーーアーーーーーーーーーーーー!!!」
一際大きなスイング。尾を引いたオーラと共に、箒が叩きつけられた。
「うぐあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
メイドクラッシュの600倍の破壊力を誇るというメイドクラッシュギャラクシアを受け、成層圏を突き抜けて月まで到達するヤタラロリ。
観測史上最大のクレーターがこの日、月に生まれた。
「ア……アルティメットロリに栄光あれええええええええええええええええええええええ」
その闘争の人生の末路に相応しく、ヤタラロリは欠片も残さず爆発四散した――――。
「お掃除完了っ!!」
決めポーズもしっかり忘れない。辺りは見る影も無くズタズタになっていたが。
よろよろと立ち上がり、ましろを労うひびき。
「ふふっ……少しはやるようになりましたわね、ましろさん」
「ムネ」
「……でも、まあ、まだまだわたくしがお守りをして差し上げないとあぶなっかしいですけど」
「ムネ」
「……まだまだ、地球の平和は遠そうですわね…………」
「ムネちょーだい」
ましろさんは胸が小さいから可愛いんですのよ、と巧みな言葉遊びでかわされ、結局念願の巨乳は手に入らずじまいだった。
そう、ましろはグラマーになってしまっては地球を守りきれないという事にまったく気付いていない。
「おのぉれぇホワイトピアニシモ!! 次こそは! つぅ〜ぎ〜こぉ〜そ〜はぁー!!」
「……首領。ヤタラロリの無念、この四天王の一人、トテツモナクロリが晴らしてみせましょう」
「ふっふっふ、まさか貴様ほどの男が早くも出撃するとは。頼もしきことよ」
…………遥か衛星軌道で、馬鹿共はまったく懲りていなかった。
戦え! ホワイトピアニシモ!! 負けるな!! ブラックフォルテシモ!!
この世にロリコンがいる限り、君達の戦いは終わらない!!!
つづく――――――
次回予告
幼稚園のプール教室を狙い、意気揚々と出撃するトテツモナクロリ!!
その卑劣な手口(ハムスターやチワワをつかって誘き寄せて捕獲)に、ましろの怒りが爆発する!!
ついに、ましろの新フォーム、スクール水着ピアニシモがそのヴェールを脱ぐ!!
次回、「ひびきちゃん、胸だけで浮く」
君は、ロリを感じた事があるか!?(古○徹の声で)
|
|