ふと私は、思ってしまった。
私が志貴さまを、朝起しに行かなくなってから、どれくらいたったのだろうかと・・・。そして、それは私が唯一の肉親であった姉さんを、失してから同じ時間・・・。
私が仕えるべき主人は、志貴さまは姉さんの恋人だった・・・。
私が志貴さまに対して恋慕がなかったと言えば嘘になる、けど姉さんは私や秋葉さま以上に志貴さまを必要としていた・・・と思う。
誰も、本人すらも気が付いてはいなかったろうが・・・・。
そして志貴さまもまた姉さんと必要とした、けどその結末は・・・。
私は、その日から志貴さま付きのメイドから外してしてもらった。
秋葉さまも、それを考慮してくれた。
なぜなら私(ひすい)は、琥珀(ねえさん)のレプリカなのだから。
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姉さんは、哀しく優しい人だ。
純粋故に汚れ、優しさ故に哀しかった。
感応者として遠野家に引き取られ、私のタメに自身を汚した。
窓際から私達を見つめていた、それでも姉さんは、私に文句を言わなかった。
言ってはくれなかった。
「それならコレは、私への罰なのですか?」
誰に言うでもなく、私は呟く。
けど返事が返ってきた。
「翡翠は、悪くはないでしょ、もちろん琥珀だって兄さんもね。 悪いのは私とお父様とお兄様」
振りかえると秋葉さまが、扉に寄りかかっていた。
少し悲しげな表情をして・・・。
「そうでしょうか?」
「でしょうね、琥珀を汚したのはお父様だし、琥珀を追いつめたのは私とお兄様だから」それは・・・たぶん違う。
姉さんが遠野家へ復讐しようとしたのは、希薄な自分を自身(かたち)にするため、人間として生きる意志を持つための、選択。
なんて・・・
「皮肉ね翡翠」
私の心を見透かすように秋葉様が言う。
「そうですね」
「兄さんの感応者である翡翠が選ばれなかったのも、琥珀が選ばれたのも」
あの時、姉さんが自害するキッカケとなった姉さんの復讐の対象は、志貴さまも入っていた。
秋葉さまの実兄である四季さまを自由にし、騙し志貴さまの命を少しずつ削っていた、命を奪われて行き、四季さまの苦痛と直結させられた志貴さまは、衰弱してた命に関わるほどまでに・・・。
それに見兼ねた私が志貴さまと契約の契りを交わしたのだ・・・。
「まぁ、それはそれで兄さんも、いいかげんにしてほしいわね」
「なにがですが?」
「翡翠を避けることを」
・・・・・・・・。
「けど秋葉さま、それはしょうがない事と思います」
「ええ確かに、琥珀の生き写しである翡翠の顔を見るのはツライでしょう けど翡翠は翡翠でしょ? もういい加減立ち直って欲しいものだけど」
「それでも・・・」
志貴さまには戻れない
「酷な台詞かもしれないけど、兄さんを本当に救えるのは翡翠だけじゃない? だって貴方は誰より琥珀の愛情を受けたのだから・・・まぁ兄さんには私から言っとくわ」
そう言ってから秋葉さまは背を向けて立ち去る。
姉さんの愛情か・・・。
私は思いついたように“あの場所”へ向かう。
姉さんが最後を迎えた大木の下へ・・・。
「姉さん、どうしたらいいんでしょうね?」
風が吹く・・・。
それは、優しい風だった。
なんとなく・・・なんとなくだけど泣きたくなった。
その風が姉さんの言葉のように気がして、例えそれが勘違いであっても。
だから私は、ここで願った。
弟切草が向日葵で生め尽くすのを・・・。
姉さんと、私が願った日向の夢を映す向日葵が咲き乱れるのを。
それが洗礼の花束になるのを・・・。
踏み出す決意をした私を照らしたのは、まひるのつきだった・・・。
後書き
TSG1「Re:plicaの本当の意味での裏だね」
シエル「はぁ〜、まったく意味がわかりませんが」
TSG1「・・・・・まぁ、Re:plicaの1日前の話で、翡翠の決意かな」
シエル「そうですか、いいですね翡翠さんは扱いが良くて」
TSG1「頼まれモノのだから、元々は、それにRe:plicaじゃかけなかった部分の補足でもあるしね」
シエル「はぁ、翡翠さんが感応者と言う事柄ですね、それにしてもいいですね翡翠さんは扱いが良くて」
TSG1「まね、翡翠は好きだし」
シエル「ランクは私が上ですけど」
TSG1「ランクとは、また別の基準だからね アルクとかも扱いはいいが出番は少ないだろ」
シエル「誕生日SSまで書いてますけどね」
TSG1「気にするな」
シエル「この作品はRe:plica、Re:plica裏とリンクしていますので 見てみるともっと楽しめるかもしれません」
TSG1「感想のメールをお待ちしています」
2003/3/1