※美樹ちゃんが分からない人は、ひなた三部作(ACT27-29)を読み直そう!

  ※美樹ちゃんが分かる通な人も、ひなた三部作(略)を読み直そう!

  ※本作は、ACT30以降を想定していますが、あくまでファンフィクションです。
   実際のSIHNEの時系列とは、別のところにあると考えてください。







「うわあああああぁぁぁぁんっ!」

「ど、どうしたのよ、美樹ちゃん!?」

「びなだざぁん、責任取っで下ざいよー!!」

 オペレーター室に着いた途端に、泣きじゃくる美樹ちゃんに迫られた。

 ――――いや、突然泣き付かれて、責任取ってくれと言われても困るんだけど。

 第一これじゃまるで…………

「あら、ひな。ダメじゃない、ちゃんと避妊をしないと」

「きしゃーっ! 黙れクサレ司令!!」

 万年発情危険人物にツッコミを入れ黙らせる。


「ちょっと美樹ちゃん。落ち着いて」

「ひなたさん……うっ、うっ……うええええぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

 普段冷静な美樹ちゃんからは想像も出来ない乱し様。ちょっと只事ではない。

「司令、ちょっと休憩室に行きます。ほら、美樹ちゃん、ここじゃなんだから、移動しよ」

「ゆっくり行って来なさい。なんなら、今日は上がってもいいから」

「ひっく、ひっく……」


 後ろでは司令が『二人のためにカンパお願いねー』などと、募金箱を持ってほざいている。

 ツッコミを入れたいところだが、今はそれどころではない。

 …………というか、何であんなにカンパが集まってるのよ。




「――――彼氏が浮気したぁ!? まさか、あんなに仲良かったのに」

 そう、美樹ちゃんとその彼は(悔しいが)とても仲が良い。

 何しろ、私の再三再四(※1日あたり)のイタズラにも怯まなかったほどだ。

「そのイタズラが原因ですよっ! そうに決まってます!!

 いつも勝手に私の携帯でメールして! フォローがどれだけ大変か分かってるんですか!」

「何よ、そんなに怒らなくても……ちょっとしたお茶目じゃない」

「……………………………………」

「…………ゴ、ゴメンナサイ」

 ――謝るから、無言で睨むのはやめて。



「――――で、彼の携帯を見たら、女からの着暦で埋まってたんですよ?」

「別に、ただ友達かもしれないじゃない。何も浮気と決まったわけじゃ……」

「ただの友達が『昨晩のアレ、凄かったわ。思い出すだけで身体の奥が疼いちゃう』とか、

 『ねえ、次はいつ来てくれるの? とっておきの下着で待ってるわ』とか、

 あまつさえ、『早くそんな勘違い女とは縁を切ってよ』とか送るわけないわよ!」

「うわぁ…………それは完璧に浮気してるね」

 …………しかし何故だろう。何かが引っかかる。


「もうあんな奴のことは知りません! ひなたさん、さもしい者同士、今夜はとことん飲みましょう!」

「さもしいって言うなーーーーっ!!」








 SHINE・ひなたさん応援SS

     『ただいまを言う相手もいない』










「うー、ノドが痛い……」

 おまけに身体もダルい。

 昨夜は結局2時過ぎまで飲んで、その後、朝までカラオケで熱唱。

 あまりお酒など飲まないので、ノドがやられている。

 『激辛強化ウィーク』などという謎の理由により、つまみがすべて真っ赤だったのも一因だろう。

 更には、古き良き時代の熱血アニメ・特撮主題歌の連戦連唱。

 けど、とどめとなったのは、ホワイトピアニシモの超高音域の曲の数々に違いない。

「あそこのカラオケ、曲の揃いが良過ぎよね……」

 まさか劇場版の戦闘曲、『戦幼女(ヴァルキリー)の咆哮』まであるなんて…………、


 ノドの痛みは引きそうにない。オペレーターとして、あるまじき失態だ。

「はぁ、ナノメディスン使おうかな……でもあれ、嫌いなのよね…………」

 というか、こんな馬鹿な理由で、科学の粋を用いるのは気が引ける。

 あれこれ悩んでいると、TERA一番の世話焼きに声を掛けられた。


「――あれ? ひなたさん、声が枯れてませんか?」

「え? あ、あはは。ちょっとね……」

 何となく気恥ずかしいので、てきとうにはぐらかす。

「風邪すか? 顔色も悪いですし、無理しないで下さいよ」

 ……顔色が悪いのは、二日酔いと徹夜のため……とは言えない。

「いや、そうじゃないんだけどね……って、――なっ!?」

「うーん、熱は無いみたいですね……」

 いつのまに近づいたのか、おでこに手を当てられている。

 そうなると、必然的に光君の顔も近くにあるわけで…………、

 あーーーーっ、どうしてアンタはこんなに無防備なのよーっ!!


「あれ? やっぱりちょっと熱いかな。大丈夫っスか?」

「やっ、ち、違う違う。大丈夫だか――――ゲホゲホっ!!」

 タイミングの悪いことに、咳き込んでしまう。

 こんなことをすれば、このお節介焼きは…………、

「明美さ〜ん、ひなたさんが体調悪いようなんで、休ませていいスか?」

「だ、大丈夫だか――――ゲホゲホっ!」

 一度むせると、なかなか止まらない。の、ノドが、ノドが…………、


 ――――このままでは、無理に休ませられかねない。

 涙目で、司令にアイコンタクトを送る。

『(司令、どうにか光君を説得して止めて下さい)』

『(オーケー、任せておきなさい)』

 ウインクが返ってくる。オッケーだ。

 よし、これで…………、


「いいわよー。途中で倒れるとマズイから、部屋まで送ってあげてくれる?」

「このア――――ゴホゴホっ! ゴホッ!!」

 ※このアホ司令ーーーーーーーっ!!

 ※誰かこいつの指揮権を剥奪しろーーーーーーーーーーっっ!!


 一瞬たりとも、このアホを頼った私がバカだった。


「許可ももらいましたし、ゆっくり休んでください」

「――――いや、気遣いは嬉しいけど、何も休む必要は――――きゃっ!」

 突然に足元から地面が無くなる……

 持ち上げられた――――というか、抱き上げられたと認識するまで、数秒を要した。

 しかも、この抱き方は――――いわゆる『お姫様抱っこ』!?


「じゃあ明美さん、ひなたさんを部屋まで送りますんで」

「え、あ、ちょ、ちょっと光君! 降ろしてよ!」

「――っと、暴れないで下さい。病人は安静にしないと」

 大丈夫ですよ。ほら、俺、体力には自信あるし、などと、勘違いなセリフを吐く。

 まあ、光君より力のある人間なんて、まずいないだろうけど――――

「そういう問題じゃ――」

「あ、首を抱えてくれます? そうしないと安定しないんで」

「――え? あ、こう?」

 言われるまま、光君の首に手を回す。

「はい、じゃあ行きますよ」

「うん。――――じゃなくてっっ!!」


 人の話を聞けーーーーーーーーーーーーっっ!!






「はれ? ひなたさん、どうしたんですか?」

「本人は二日酔いだ、なんて言ってるけど、あの酒豪がそんなので潰れるわけないわ」

「じゃあ、どうしたんですか?」

「ここんところずっと働き詰めだったからね。疲れが溜まってたんでしょ」

「は〜、ひなたさん、がんばりやさんですからね」

「まったく、世話が焼けるんだから」














 ――――目を開けると、見慣れた天井と、キレイな顔があった。

 本人は嫌がるかもしれないけど、まだ10代特有の幼さが残る顔は、可愛さを内包している。

 手を伸ばして、頬に触る。女の子みたいにスベスベの肌。

 唇の方に指を這わせると、途中で優しく止められた。残念。

 すごく柔らかくて、すごく気持ちいいのに……


 体調は? と訊かれた。

 だいじょうぶ、と答えた。痛みもダルさも退いてる。

 何か欲しいものあります? と訊かれた。

 ノドが乾いた、と言うと、あらかじめ用意してあったのだろう、スグに水を注いで渡してくれた。

 体中が水分を欲していた。身体を起こし、グラスの水を嚥下する。

 ノドを通過する冷たい液体が、凄く気持ちいい。

 グラスはすぐに空になった。

 お代わりは? と訊かれたので、お願い、と頼んだ。



 ――――そこで、ようやく意識がハッキリとした。



「――えっ、なっ、なっ、こ、ここここ、光君っっ!!」

「ダメですよ、安静にしてないと。はい、お代わりです」

「あ、ありがとう。――――んぐっんぐっんぐっ……ぷはぁっ!!

 くぅーーーーっ、五臓六腑に染み渡る。これよこれこれ。この一杯のために生きている!

 ――――って、そうじゃなくて、なんで光君が私の部屋にいるのよ!」


 部屋まで送ってくれたことは、ぼんやりとだけど覚えている。

 それは感謝する。

 けど、その後、ずっと女の子の寝顔を覗いているなんて、趣味が悪いにもほどがある。

 …………寝言とか言ってないわよね。いや、そんなことより――――

 慌てて口元を拭う……大丈夫、よだれは垂らしていないわね。


 一安心した私の心を、光君の言葉が再び混乱させる。

「なんでって、ひなたさんが『一緒にいて欲しい』って言ったから」

「――――え?」

「幸い、出動要請が出てもここからならスグに行けるし、明美さんも了解してくれたし」

「え? え? ――ええっ!?」

 記憶に――――無い。

 そんな記憶は―――――…………、


『ひなたさ…………、あれ? 寝ちゃったんですか?』

『ううん、起きてる…………』

『眠そうですね。じゃあ、俺退散しますから、ゆっくり休んでください』

『――――やだ』

『え?』

『行かないで。もうちょっと、一緒にいて……』

『――――分かりました……大丈夫すよ。腕つかまなくても、ちゃんといますから』

『ありがと……』


 ………………、

 そんな…………記憶が…………ある――――。


「まあ分かります。体調が悪いと、人が恋しくなりますからね。

 俺も、風邪とかひいた時、誰かにそばにいてもらいたい、って思うし」


 ひーーーーーーーーーーーーっ!!

 やめてーーーーーーーーーーーーっ!!

 話を蒸し返さないでーーーーーーーーーーーーーーーっ!!


 意識が胡乱としてたとは言え、失態に他ならない。


「も、もう大丈夫だから。光君は本部に戻って良いよ」

「いや、今日は一日、看病しますよ。遠慮しないで」


 遠慮じゃないのよーーーーーーーーっ!!


「大丈夫。こんなの寝てればすぐ治るから! っていうかもう治った!

 本部に戻るから、光君も一緒に行きましょ!!」


 体調が良くなったのも事実。

 でも、それ以上に変に意識してしまって、光君と二人っきりで部屋にいることに耐えられない。


「そんな無理しないで、今日は休んでください」

「大丈夫だから。こんなことで休んでいるわけにはいかないし」

「――――ひなたさん、今年、何回休み取りました?」

「――え?」

 突然の脈絡の無い質問に戸惑う。

「……えっと、まだ取ってないけど」

「ほら、やっぱり。そんな毎日働いていたら、身体壊すのも当然ですよ!」

「でも、別に休んでもすることないし……大体、休めるわけ無いでしょ」

「何で休めないんですか?」

「それはだって――――」


 何故だか知らないけど、私はマスターオペレーターだ。

 あのアホ司令がテキトーに決めたことでも、引き受けた以上は責任がある。


 それに――――、


「自分が休むわけにはいかない――って言うんですね?」

「…………まあ、そういうこと」


 光君をはじめ、紅梨や煌羅、他のクライマーのみんなが身体を張って頑張っているんだ。

 安全な場所でオペレーター任務をやっている私が休めるはずが無い。


「あなたたちが頑張っているのに……休めるわけないでしょ?」

「………………ハァ、」

「な、何よ、ため息なんて吐いて!」

「――――ひなたさん、」

「――――っ!」

 真っ直ぐな瞳。

 こちらの全てを見通すような瞳は、逆に自分の全てを晒す瞳でもある。

 薄汚い大人になってしまった私には、そんな勇気は無い。

 掛け布団の上に視線を逸らした。

「な、なによ。私が仕事すると迷惑だって言うの? 休めって言うの?」

「違います。休んでもらっては困るんです」

「――――??」

「俺たちが頑張れるのは、ひなたさんたちのサポートがあってからこそだから」

「――――、」

「いや、サポートっていうよりも、ひなたさんの声が必要なんですよ。

 もちろん、ひなたさんだけじゃないけど……戦っている最中、挫けそうになっても、

 ひなたさんたちの声が聞こえるから、諦めずに戦えるんです。

 戦いが終わった後、笑顔で迎えてくれて、お疲れ様、って言ってくれるから頑張れるんです」

「――ちょ、ちょっと……恥ずかしいこと言わないでよ」

「恥ずかしくなんか無いですよ。それが俺の――俺たちのホントの気持ちですから」

「……………………」

「だから、倒れてもらっては困るんです。ひなたさんには、いつも元気でいてほしいんです。

 いつでも応援して欲しいし、いつでも迎えてほしいから――――、

 ――――ああ、言ってて気づいたけど、これって甘えなのかな。

 俺たちがこんな風に思ってるから、ひなたさんが頑張りすぎるんスね」


 どう返してよいか分からなかったから、

「ん――――その……ありがと」

 ――――とりあえず、お礼を言っておいた。まあ……嬉しかったしね。


「それにさ――――」

「それに……?」

「ひなたさんが倒れたら――――誰が明美さんの世話をするっていうんですか!」

「――――へ?」


 数瞬の空白。

 その後、ようやくそれが、彼なりの照れ隠しであることが飲み込めた。


「――――ぷっ、ぷははははははははははは! あははははははははははははは!!

 そうよね。私が倒れたら、誰があの司令の子守をするってのよね」

「TERAの平和のためには、ひなたさんにいてもらわないと困るんです」

「そっかそっか。じゃあ、倒れるわけにはいかないわね。あははははは!」

「だからさ、今日一日しっかり養生して、明日からはまた、万全の体調で頑張ってもらわないと。

 今日は何でもわがままも聞きますから、早く良くなって下さい」

 冗談めかして言うけど、それが光君の本心なのだろう。

 この子は、優しすぎる。

 そんな真っ直ぐで――――無防備な笑顔を見ると、

 ついついイタズラをしたくなるのが人情よね。


「じゃあ光君、風邪薬くれない?」

「お安い御用です。すぐに取ってきますね」

「違う。そうじゃないわよ」

 ふふふ、と笑う。無論、この後の光君の慌てる顔を想像してだ。


「風邪の特効薬って言ったら、キスに決まってるじゃない」

「ああ、そっか。キ――――なっ!?」

「えーいっ!」


 間髪入れず、光君を組み伏せる。

 もちろん、光君の力なら返せないはずはないのに、よほど動転しているらしい。


「いいじゃない。何も初めてってわけじゃないんだし……」

「え? いや…………」

「まさか覚えてない、とか言わないわよね?」

 ――――寝ている光君から勝手に奪ったから、覚えているわけないんだけど。


「ちょっ、ひ、ひなたさん!」

「何よ、どんな我侭も聞くって言ったじゃないの。

 それとも…………私とキスするの、そんなにイヤ?」

「いや、そ、そういうわけじゃなくって…………」


 慌てる姿が可愛い。

 彼の唇が、意味も無くパクパクする。

 その、やわらかくて、きもちいいくちびる――――、



 …………最初は、慌てる光君を見て終わりにしようと思っていた。

 ――――でも、


 ――――こんな方法、卑怯だとは分かっている。

 ――――でも……、



 そのくちびるに、そっと唇を近付け――――、










「ひなたさ〜ん、だいじょぶですかー? ……って、ありゃ?」

 シャッ、と音も無く開く扉。

 そこには、両手にお見舞いの品らしきビニール袋をぶら下げた、美樹ちゃんの姿があった。


「………………」

「………………」

「………………」


 長い沈黙――――


 それを最初に破ろうとしたのは、美樹ちゃんだった。


「……あの、ひな――」

「――――ほ、ほらっ、光君っ! これがイツデモロリを倒した技、メイドドライバーよ!」

 咄嗟のアドリブ、

「――え? ……あっ、こ、これがそうか! なるほど、よく分かりました!!」

 よし、光君、ナイスフォローよ!!


「……………………」

「いやぁ、美樹ちゃんゴメンね。光君がホワイトピアニシモにハマッちゃったって言うから」

「そ、そうなんスよ。いやぁ、可愛いなぁ、ピアニシモ……」

「……………………」

「ほら、もっと知りたいことがあったら、いつでも教えてあげるから」

「お願いします。じゃ、じゃあ、俺はこれでっ!!」


 お邪魔しましたーーーーっ! と超スピードで去っていく。

 さすがナンバーワン・クライマー。通常の3倍もかくや、というスピードだ。


「――と、ゴメンね美樹ちゃん。ドタバタしちゃって。お見舞い? ありがとうね」

「(ちっ、この意気地なしが。3Pに変更ね、くらい言ったらどうなのよ)」

「ん? 何か言った?」

「なんでもありませーん。まあ、そうできないところが、ひなたさんの可愛いところなんですしね」

「なによ、一人でニヤニヤして。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」

「まあまあ、そんなことより、飲みましょうよ」

「――――どこの世界に二日酔いで苦しんでる人間に、お酒を勧める人間がいるのよ」

「れっつ、むっかえっ酒ーーーーーー♪」


 また扉が開き、新たな来訪者が顔を覗かせる

「ひなたさーん、お見舞いに来ました〜♪ って、あれぇ? 美樹も来てたの?」

「お、麻美か。まあ、こっち来て飲め飲め」

「麻実ちゃん、来て早々悪いけど、この娘を止めてくれる?」

「了解です。ほら美樹、落ち着きなよ」

「なにぃ? あたいの酒が飲めないってか?」

「まだ飲んでないのに、酔った振りしないでよ」

「あはははは♪」



 ――女三人寄れば、なんてよく言ったもので、結局賑やかな宴になってしまった。

 と言っても、飲み物はさすがにお茶やソフトドリンクばかりだったけど。

 甘いものを食べて、喋って、笑って、お腹を抱えて、

 女の子というものは、そうしているだけで元気になる。

 ――――好きな男の子による看病なんて、別に必要ないんだから。


「それにしても、美樹に絡まれるなんて、災難でしたね」

「何をーっ! 大体ね麻美、そんなこと言うけど、途中からはずっと、ひなたさんの愚痴だったのよ!」

「そ、そんなことないわよっ!!」

「あはは♪ でもきっと、こうなったのも、この前のイタズラの天罰ですね。

 ひなたさん、人の携帯で知らない男の人にエッチなメールを送るなんてサイテーですよ!

 気づいて消すとき、彼に見られてフォローが大変だったんですから!!」

「何? 麻美、そんなことされたの?」

「ゴメンゴメン。許してよ。ちょっとしたお茶目じゃない」

 そういえば、そんなこともしたっけ。

 麻美たちも再三再四にめげなかったんで、いつもとは違う変化球で攻めようと……



 ――――あれ? 何だか、この場でその話題を出されるとマズイ気が、



「何がお茶目ですか!! そんな可愛いものじゃないですよ!!

 『昨晩のアレ、凄かったわ。思い出すだけで身体の奥が疼いちゃう』とか、

 『ねえ、次はいつ来てくれるの? とっておきの下着で待ってるわ』とか、

 あまつさえ、『早くそんな勘違い女とは縁を切ってよ』なんて酷すぎますっ!!」




「……………………………………」

「……………………………………」

「…………あれ? どうしたんですか、ふたりとも固まって?」




「――麻美、ちょっと出てくれるかな。ひなたさんと二人っきりになりたいの(にこり)」

「うん、いいけど……? それより、この部屋、寒くな――――あはは、おっ邪魔しましたー♪」

 何を察したのか、突然に脱兎の如く部屋から退散する麻美ちゃん。


「待って麻美ちゃん、イヤぁ、行かないでー! 全クライマー出動要請をお願いっ!

 場所は私の部……嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」


 シャッ、と音も無く閉まる無常な扉。

「ふふ、ふふふふふふふふふふ。ひなたさん、何をそんなに怯えてるの?」

「ご、ごめ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいゴメナンサイゴメンナサイゴメンナサイ……」

「怯えて謝るひなたさんって、すごく可愛いですね――――もっと怯えさせたくなるわー」




「イ、イヤァァァァァァァァァァァァァァァッッーーーーーーーーーーー!!」






 終わる(絶叫落ち)――――





次回予告

「美樹ちゃん……駄目、正気に戻ってっ……」

「駄目ですよ。ひなたさんのせいで独り身になっちゃったんですから、

責任取ってください……ふふふふ」

「だ、駄目っ……こんな所で、人が来たらっ……」

「暴れると、ほぉら、手錠かけちゃいますから……」




ACT?? 百合オペレーター夜話




あとがき

 皆さん、年上のお姉さんは好きですか?
 自分は大好きです。水夢さんも大好きだそうです。
 そんなわけで、恐れ多くもSHINEのメインヒロイン、ひなたさんのSSを書いてみました。

 コンセプトは『ベタベタ王道お約束プレイ』です。
 序盤で展開が読めてた方、大勢いらっしゃると思います。
 それで良いんです。と言うよりも、それが良いんです。
 SHINEは、古き良き特撮ヒーローモノの正統な後継者なんですから。

 愚直なまでの王道ストーリー。
 それは、主人公、真田光の性格にも通じるところがあるのではないのでしょうか?
 けっして器用ではなく、好きな娘にもどう接して良いか分からない。
 悩んで、苦しんで――――だけど……だからこそ真っ直ぐに成長していく。
 その生き方がどれだけ大変なことかは、今まで生きてきた自分たちにはよく分かるはずです。
 だからこそ、自分たちはそんな真田光に憧れ、心打たれるのでしょう。
 『王道』とは、王のみに許された道なのです。

 ――――などと、愚作の言い訳をしてみたり。
 最後はSSと同じく、叫んでお茶を濁すとします。

 ひなたさん、大好きだーーーーーーーーーーーっ!!




SHINE 投稿TOP