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オリジナル小説 -SHINE-


 今日はどこもかしこもブルマだった。
 TERA総力を挙げてのブルマ感謝祭。
 三人にズタズタにされ救護室へ行っても、いつものナース服ではなくブルマのナースさん達がお出迎えしてくれた。
 保健室(?)にブルマは扇情的で反則だと思う。
 理性と死闘を繰り広げた後、光は安らぎを求めて司令室に来たが、やはりここもブルマづくしだった。
「ひ、ひなたさん――――――」
「あ、光君。どう? 似合う?」
 紅梨はまだいい。見た目が中学生なのだから、何の違和感も無かった。
 だが、目の前でポーズを取る女性は。……幼いのは声だけだ。
 立派に女性として成長してしまったその肢体をブルマで武装するのは、一般人のひなたでさえ罪人(クライマー)の名を冠するに相応しい、罪深き出来事。
「ねえねえ、どう? ブルマなんて、2年ぶりねー」
 それは歳をサバ読みしているのか、それとも本当に2年前ブルマを何かしらの理由で履いたのか。
 迂闊にツッコめない高度な発言に光は苦悩する。
「あ、うん、に、似合います、ね……」
「……何故目を逸らすの?」
 光がバツが悪そうに目を逸らすので、ひなたは光の視界に移動した。
 また目を逸らす。また移動する。不毛なやりとりが繰り返された。
「ひなたさん、カメラお願いしていいですかー。せっかくだから彼氏にメールしよっかなって」
 学生とはいえ20過ぎの美樹が嬉しそうにひなたに撮影をせがむ。
 舌打ちすると、ひなたは美樹から携帯をひったくるように受け取り、尻だけアップ撮影して瞬時にメールした。
「いい食い込み具合でしょ、と。送ッ信ッッ」
「ひなたさん、ひどいーーーーーーーーーーーーー!!」
 オペレーター達は皆浮かれている。
 ほとんどが翔盟出の人達だ。ブルマが懐かしいのだろう。
 ……歳も考えずにはしゃいでいる。
「あれー? もしかして光君、普段学校で見てるから何とも思わないのー? つまんなーい」
「あ、その……」
 オペレーターの一人が不満そうな声を上げる。
 いえ、見慣れてません。普段、20代の人のブルマなんて絶対見てません。
「お姉さまー、お姉さまいますかー」
 桜菜もやはりブルマで司令室にやって来る。目的は光ではなく紅梨だ。
 光に一瞥もせず、紅梨がいないと分かるとすぐに司令室を後にした。

「何で今日みんなブルマなんだよ!! 今日ガイストが出たらブルマでオペレートするのか!?」
「そうよ」
 しれっと答えるひなた。出撃意欲が激減する。
 どれだけ真剣に戦闘中継をされても、離れ通信している相手がブルマだと思うと戦場で肩膝ついて苦悩してしまう事は必至。

「ひなたさん、今日は全員ブルマ着用なのに、一人履いて無い人がいると思いませんか」
「え……あ、ああ、ああ、そうねぇ」
 美樹がやけににこにこしながら近づいてくる。手には真っ赤なブルマ。
「誰だよ、見る人間見る人間みんなブルマだったぞ」
 と、光は司令室にいる人間が皆自分を取り囲んでいる事に気付いた。
 ものっっっすごい嫌な予感が脳天からつま先まで一気に貫く。
「光君〜、履いてみようよお〜」
「……ひいいい!?」
「あ、面白そ〜☆」
「そうね、面白いかも」
 ひなたまで笑顔で賛成してやがります。
「待て! 陽一みたいな奴ならともかく、俺が履いたらヘンタイさんだ!!」
だから(・・・)面白いんじゃないの〜」
 確かに陽一が履いても普通に似合いそうで面白みにかける。
 だが光がそんな事したら、今までの歴戦がまさしく水泡に帰してしまう。
「〜っ!!」
 全力で、常人が追いつけない速度で離脱しようとしたが、僅かに遅かった。
 いつの間に司令室に来ていたのか、葉月が光の背中に抱きつく。
「ごめんなさい、でも、私も見てみたいかも……」
「っわ……」
「かかれーーーーーー!!」
 胸の感触にひるんだ隙に、残りの女性陣全てが飛び掛った。
「え、ちょ、ま――――――」
「それ〜、脱がしちゃえ〜」
「えーい!!」
「やめろ! ホントやめろ!! やめ、やめてーーーーーーーーーーーー!!!」
 先ほどの傷が堪え、相手が一般女性という事もあって思うように抵抗できない光。
 後に、自ら地獄の10分間(ヘルズオブテンミニッツ)と称する魔の時間が、今、始まった――――――。